元記事著者:Rino 翻訳:葛西祝
8月に開催されたgamescom 2023では、ゲーマーや開発者に向けたさまざまなサイドイベントが開催された。中でも注目すべきイベントのひとつがCourage Cologneだ。
ヨーロッパ最大のゲーム開発者コミュニティによるカンファレンスDevcomが主催となるこのパーティとインディーゲームショーケースのハイブリッドイベントは、人気のボートハウスにて開催。世界中から40以上のタイトルが出展された。今回、Courage Cologneでチェックした、とてもエキサイティングな6つのインディーゲームを紹介しよう。
『Mind Diver』開発:Indoor Sunglasses
Indoor Sunglassesは一人称視点のADV『Mind Diver』を通し、脳とは入り組んだものだということを突き詰めている。
リナの心の奥には、パーティーの後でボーイフレンドと過ごしたひどい一夜の秘密がある。プレイヤーは潜在意識の奥深くを探り、記憶ひとつひとつを解き明かし、偽りを解き明かさなくてはならない。
『Mind Diver』の調べものと推理は『Return of the Obra Dinn』のクリエイター、ルーカス・ポープ氏などのコンサルタントと共にパズルデザインが開発された。また、本作のもうひとつの特徴は新鮮かつ豊かな3Dスキャンによるスタイルであり、世界と登場人物を深く探り、探索させるように促すのだ。
『Mind Diver』は現在開発中。学生版(本編の一部がプレイ可能)がSteamで無料で遊ぶことができる。
『Truer Than You』開発:Transcenders Media AB
ビジュアルノベル。だが『Truer Than You』は現代的な設定を通して語られる、豊穣な選択の体験を提供している。プレイヤーは大都会で新たな生活をスタートする27歳のノンバイナリーのリンとして、現実のシチュエーションに合わせた俳優レンタル会社・Truer Than You(君より本物)の新入社員となる。リンは与えられた役をパーフェクトに演じなくてはならない。たとえ役と客とのラインが曖昧になったとしても。
プレイヤーは役が本物かどうかということから、社会、そして気候変動に至るまで、キャラクター同士の示唆に富んだ会話を楽しめるだろう。開発者はクィア・フレンドリーなキャラクターを揃え、さまざまなエンディングに繋がる選択肢を文字通り何百も用意している。
『Grimore Groves』開発:Stardust
最近の心地いいゲームに満足してるわけじゃないけど、Stardustによる『Grimore Groves』はこれまででいちばん心地よくて、カラフルなゲームという見込みがある。
魔女たちは伝説の地グリモワール・グローブにたどり着いた。しかし、その環境は思っていたものじゃなかった。草木の生き物は少なくなり、森の精霊はどこにも見当たらない。森をかつての輝きに戻すのは、魔女たち自身にかかっている。
本作は魔法による森林再生パートとローグライトパートがある。プレイヤーは草木の仲間と精霊を育てるスキルを身につけながら、森を探索・採集し、力をつけてゆくのだ。
『Grimore Groves』は2023年の7月12日にKickstarterで資金調達に成功している。リリースの日程についてはまだ発表されていない。StardustのTwitterのフォローや、Switch版の予約が可能だ。
『Universe for Sale』開発:Tmesis Studio
宇宙ステーションを舞台とした手描きのポイント・アンド・クリックADV『Universe for Sale』で、奇妙なバザーへと繰り出そう。木星を取り巻く雲の下。聡明なオランウータン。肉体を持たないカルト宗教の信者。そして手のひらから宇宙を生み出す女性。ありえないくらいユニークなキャラクターがいる。
プロットはめちゃくちゃに聞こえるが、特に洗練された手描きのアニメーションと曲がりくねった路地や荒れ果てたスラムという設定にマッチした題材に惹かれる。プレイヤーは木星にてボロボロのコロニーを探索し、人間やロボ、類人猿と出会い、さまざまなバックストーリーを聞くことになる。こうした出来事すべてがイタリア人アーティストのグリエルモ・ディアナによるBGMの中で展開されるのだ。
『Universe for Sale』のプロローグ版はSteamにて無料でプレイ可能だ。さらなるアップデートや本作がいつリリースされるのかについての最新情報は、開発のTmesis Studioをフォローしよう。
『EcoGnomix』開発:Irox Games
ノームとシティ・ビルダーのファンなら、きっと『EcoGnomix』はしっくりくるだろう。ゲームの目的は、探検で資源を集めながら巨大な浮遊都市ノーマトロポリスを建て直すことだ。
たくさんの島を探検するにつれ、ノームたちはたくさんの動植物に触れるようになり、都市を発展させるための資源集めが最適化される。いかに資源を最大限に活用するために、ノームたちを効果的に配置できるかどうかが都市の成功を決めるのである。
また『EcoGnomix』は子供用ねんどっぽいアートスタイルがチャーミングだ。とりわけニワトリのかわいらしさが好きだ。本作のデモ版は現在Steamでプレイ可能であり、 その他に最新情報はIrox GamesのTwitterからチェックできる。
『Wéko The Mask Gatherer』開発:SIRO GAMES Sarl
『Wéko The Mask Gatherer』は世界各地で強大な仮面を集める使命を与えられた不思議なヤモリを主人公とするアクションRPGで、探索要素が満載である。プレイヤーは勇ましい旅人のウェコ(ヤモリです)となり、オープンワールドを旅しながら敵と戦い、歩みを進めるごとに宇宙に秘められた謎の解明に近づいてゆく。
戦闘のキモはウェコに強力な能力を付加する特殊な仮面にある。数多くの仮面が用意されるようだが、いまのところ3つわかっている。防御と反撃の能力を持つ「シールドの仮面」。滑空のような新能力を付与する「アクティブな仮面」、そしてスタミナ回復の増加などのパッシブ・スキルを持つ「遺物の仮面」だ。
いつリリース日が発表されるかを知りたい方は、Steamで『Wéko The Mask Gatherer』をウィッシュリスト登録しよう。その他の最新情報は本作の公式Twitterでチェックできる。